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第31回:有形固定資産減価償却率
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減価償却費とは
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建物や建設機械などの有形固定資産は時間の経過と共にその価値が失われて行きます。有形固定資産の現在の価値を正確に表示するためには減価償却費を計上して減価分を差し引かなければいけません。また有形固定資産は製品を作るために取得されるのものなので、その減価償却費も製品作るための費用として扱われます。
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有形固定資産減価償却率とは
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有形・無形固定資産のうち、耐用年数の決まっているものは減価償却が必要になります。有形固定資産の減価償却の進展の割合を示しているのが有形固定資産減価償却率です。減価償却率を見ることで償却の進展具合だけでなく、資産の古さを確認することもできます。有形固定資産減価償却率を求めるには以下の式を使います。
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有形固定資産減価償却率 = | 有形固定資産減価償却累計額 | | × 100 | | 有形固定資産減価償却累計額 + 償却対象資産 |
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償却対象資産とは減価償却された有形固定資産で、その中には減価することがない土地と、建設中で未稼動な建物の計上額である建設仮勘定は含まれません。以下はトヨタ自動車の2010年度連結決算の数字を用いて有形固定資産減価償却率を求めたものです。
減価償却累計額 償却対象資産減価償却率 =
= | 単位:百万円 10,382,847 5,223,340
| 10,382,847 | ×100 | | 10,382,847+5,223,340 |
66.53%
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製品コストを見る
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減価償却には初年度が最も高く徐々に漸減していく定率法と、毎年一定額を計上する定額法があります。償却年数が経過すれば減価償却累計額は積み増されていくので、有形固定資産減価償却率も高くなります。ということは有形固定資産減価償却率が高ければ、それだけ償却年数も進んでいる事になります。定率法の場合は償却年数が進むほど減価償却費は少なくなるので、製品コストも低下する事になります。このように有形固定資産減価償却率から、償却年数の進み具合とそれによる減価償却費の低減、製品コストの低下まで推し量ることができるのです。ちなみに定額法であれば年数が経過していても減価償却費は一定なので、有形固定資産減価償却率から製品コストの低下の変遷といったことを探ることはできません。

上の表は取得原価100万円、耐用年数5年の資産では定率法は0.5%、定額法は0.2%の償却率です。減価償却では1円まで償却することができるので最後に1円残り、その1円は実際に資産を処分した時に償却します。
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資産の古さを見る
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有形固定資産減価償却率が高ければそれだけ年数も経過している事になるので、資産も古くなってきます。資産が古くなってくると効率性の低下や修繕コストの増加といった問題がでてきます。設備投資の更新時期も近づいてくるので、そのための資金が十分であるのかと言ったことも確認する必要が出てくるでしょう。
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製品コスト | 設備 | 設備更新時期
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| 減価償却累計額 | | 大 | コスト小 | 老朽化・効率低下・修繕費大 | 近い |
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| 小 | コスト大 | 新鋭・効率向上・修繕費小 | 遠い |
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自己資金創出力を見る
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設備等の有形固定資産を取得する際の仕訳が以下になります。
現金は有形固定資産を取得した際に支出されます。次に有形固定資産を減価償却して費用として計上した際の仕訳が以下になります。
減価償却費を計上する際は現金の支出はありません。
費用は販売活動による売上(入金)により回収されます。しかしながら減価償却費は現金支出を伴わないので、
計算上その分現金が会社に留保されることになります。この機能を自己資金創出機能といいます。
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耐用年数の設定で変わる
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例えばおなじ有形固定資産を持つ企業が2社あるとします。この場合先に有形固定資産を取得した企業の方が減価償却は進むので有形固定資産減価償却率は高くなります。しかしながら同時期に取得した場合でも差がでることがあります。これは有形固定資産の耐用年数に差が出る場合です。耐用年数を短めに設定すれば同時期に取得した有形固定資産でも減価償却費は大きくなるので減価償却率は高くなります。このように有形固定資産減価償却率は減価償却の進展具合だけ出なく、耐用年数の設定によっても差が出るのです。
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