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第20回:売上債権回転率
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売上債権回転率(回) = | 売上高 | | | 売上債権(当期・前期末の平均) |
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売上債権とは受取手形、売掛金、受取手形割引高の合計から貸倒引当金を引いたものです。売上債権回転率は売上債権の金額が適正が否か、滞留債権がないかどうかを判断する指標として使われます。
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売上債権回転率が1年間に売上債権が何回転するかを表しているのに対して、売上債権回転期間は売上債権が1回転するのに何日かかるかを表しています。
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通常売上高や利益にばかり目が行きがちですが、利益が出ていても資金繰りが悪化すれば企業は最悪倒産してしまいます。その資金繰りとの関連が深いのが売上債権です。売上高は現金入金が必須条件ではありません。また利益もその売上高と費用との差から求められるので、利益がでていても現金が回収されているかどうかはわかりません。売上債権が回収されて始めて現金は手元に収まり手元資金も充実するのです。したがって売上債権の項目のチェックと言うのは重要な事なのです。
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売上債権回転率をみる前に売上債権を構成する1つである受取手形割引高についてみていくことにします。受取手形割引高とは少し専門的な用語で簿記について詳しくない方にとってみれば、ちんぷんかんぷんな言葉かもしれません。そこでまずは受取手形割引高について説明することにします。まず商品を販売して相手が代金の変わりに手形を発行した時の仕訳は次のようになります。
受取手形の支払日に相手が代金を支払ったときの仕訳は以下になります。
支払日以前に受取手形を銀行へ持ち込み現金化する場合は、銀行から支払日までの金利分と手数料が差し引かれた金額が支払われます。
現金預金 ××× 割引手形 ×××
手形売却損 ×××
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上の仕訳で気になる点は割引手形と言う言葉ですね。ここは受取手形になるのじゃないかと思われたかたも多いかと思いますが、実はまだこの時点では手形を発行した支払人が実際に支払うかどうかは確定していません。そこで現時点では割引手形と言う勘定を設定しておき、支払日が来て実際に支払われたときに始めて受取手形を消滅させます。
受取手形割引高と言う言葉がまだ出てきませんが、実はまだ半分しか説明していないからなのです。上記の方法は評価勘定法と言うやり方で銀行で割り引いたときに直接受取手形を減少させる方法を対照勘定法と言います。
現金預金 ××× 受取手形 ×××
割引義務見返り ××× 割引義務 ×××
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受取手形を減らしていますが、まだ支払人が実際きちんと支払うかどうかは確定していません。銀行へは受取手形をかたに現金を借りているだけなので、債権が消滅したわけではなく債務が新たに発生しただけなのです。したがってそのことを忘れないために割引義務見返り勘定と割引義務勘定を設けているのです。支払日に無事現金が支払われれば以下の仕訳を行います。
もし支払日に現金が支払われなければ、手形発行人に変わって銀行へ代金を支払わなければならなくなります。
不渡手形 ××× 現金預金 ×××
割引義務 ××× 割引義務見返り ×××
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受取手形割引高の話に戻りますが、対照勘定法での割引義務勘定の合計額が受取手形割引高です。評価勘定法では受取手形割引高は使われませんので気にする必要はありません。
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次に貸倒引当金についてみて行く事にします。貸倒引当金とは売上債権の貸倒れに備えて一定の割合で事前に費用計上して、突然の貸倒れによる経営へのリスクを抑えることを目的に設定されるものです。貸倒引当金の設定は毎期末行われ、過去の経験則からまずは引当金を計上し、次に個別の売上債権の正常度を測定して引当金を設定します。貸倒引当金は経験則による引当てと個別引当ての合計値になるわけです。貸倒引当金の金額が大きければ売上債権の貸倒リスクを高く評価している事になり、小さければ貸倒リスクも少ないと評価している事になります。貸倒引当金をみることは売上債権の正常割合を判断する目安にもなるのです。
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売上債権である受取手形や売掛金は現金での回収までに期間を要します。無事回収できれば問題ありませんが、何らかの要因で回収不能や、回収期間の延長などの事態が発生することも考えられます。例えば得意先の資金繰りの悪化による回収期間の延長や、得意先の倒産による不良債権化などがあげられます。この結果売上債権は増え、売上債権回転率、売上債権回転期間は悪化します。このことから売上債権回転率、売上債権回転期間を見ることで、悪化がみられた場合、売上債権に何らかの問題があることを推測することができるのです。
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回収期間は業界の慣習、その企業の商品開発力、販売力の強さ、市場の競争状態、得意先との力関係などにより左右されます。たとえば独占的で競争力の強い商品は一般的に回収期間は短く、逆に競争が激しく汎用的な商品であれば回収期間は長くなります。業態の違う他社との比較はあまり意味がないので同業種や自社の過去の実績との比較が有効でしょう。
回収期間が長くなると現金を回収するまでに企業を運営して行く上である程度の手元資金が必要となり、場合によっては資金繰りを圧迫する事になります。逆に回収期間が短いと手元資金も潤い、資金繰りへの影響も少なくなります。一般に得意先は回収期間が長いことを望むため、回収期間を長くすればそれだけ売上も増えるかもしれませんが、かわりに資金繰りや経営への影響も大きくなります。
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売上債権だけでは債権の実態を判断しづらいケースもあります。たとえば売上債権の回収が長期化した場合、貸付金へと切り替えることがしばしばあるからです。売上債権回転率や、回転期間は正常でも一方で貸付金が増大している場合は要注意です。売上債権だけではなく、関連する勘定科目についても同時にチェックすることが大切でしょう。
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