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銀行業界 vol6
2007年度の国有商業銀行の動向



国有4大商業銀行の動向
2008年度はサブプライム問題を端に世界の金融業界は大きな影響を受けました。比較的傷が浅いとされる日本の銀行でさえ業績の下方修正や赤字転落などの事態に直面しています。そんな中これまで長らく金融不安を抱えていた中国でその象徴ともされていた4大国有商業銀行の昨今の動向はどうなっているのかについて今回みて行く事にします。業績などのデータはサブプライム問題が勃発する以前の2007年度の物ですが、2008年度も中間期の時点ではそれほど大きな影響もなく順調に業績拡大しているようです。

|| 中国銀行(2007年度)
本社北京市
市場香港
総資産5兆9912.17億元(12%増)
経常収益1827.12億元(23%増)
純利益562.48億元(31%増)
株式の国有割合70.8%
不良債権比率3.17%
支店29の国と地域に600以上の支店を構える。国内の支店は10000を超える。
特筆イギリスの著名な経済誌ザ・バンカーの2008年度世界の大銀行1000行ランキングで堂々10位にランクインされる。このランキングは各銀行の2007年度の決算の数値をもとに総合力で評価されたものです。ちなみに1位は英HSBC、2位は米シティーグループ、日本の銀行は三菱UFJが6位、みずほが15位、三井住友が18位にランクインされています。

|| 中国工商銀行(2007年度)
本社北京市
市場香港
総資産8兆6837.12億元(15%増)
経常収益2560.29億元(40%増)
純利益815.20億元(65%増)
株式の国有割合70.7%
不良債権比率2.74%
支店13の国と地域に126ヵ所、国内1万6000以上の拠点を構える。
特筆なんと時価総額は2008年6月末時点で2384億ドルとアメリカのシティーグループなどの名だたる世界の銀行を抑えてトップの座に君臨しています。サブプライム問題の影響からか2007年末時点の3389億ドルからはかなり下がりましたがそれではも世界ナンバー1の時価総額を誇る銀行にまでいつの間にかなってしまったのです。ちなみにザ・バンカーで2008年度世界の大銀行1000行ランキングで8位にランクインしています。

|| 中国建設銀行(2007年度)
本社北京市
市場香港
総資産6兆5981.77億元(21%増)
経常収益2207.17億元(45%増)
純利益690.53億元(49%増)
株式の国有割合59.1%
不良債権比率2.60%
支店国内1万3000以上の支店を構える。海外はシンガポール、フランクフルト、ヨハネスバーグ、東京、ソウル、ニューヨーク、ロンドン、シドニーに拠点を構える。
特筆ザ・バンカーの2008年度世界の大銀行1000行ランキングで13位にランクイン。

|| 中国農業銀行(2007年度)
本社北京市
総資産6兆0501.27億元(12%増)
経常収益2000.13億元(31%増)
純利益118.72億元(127%増)
不良債権比率23.50%
支店国内2万4000以上の支店を構える。海外はシンガポール、ロンドン、東京、ニューヨークに拠点を構える。
特筆国有商業銀行4行の中で唯一上場できていないのが中国農業銀行ですが、それもそのはず不良債権比率は23.50%と依然高い水準のままです。2004年度で30%強あったのと比較するとだいぶ改善しては来ましたがそれでもまだまだ高い水準です。そんななか2009年1月16日ついに株式会社組織として立ち上がりました。その準備に際して中国政府直属の投資会社「中央匯金投資有限公司」から約190億ドルの資本注入を受け、出資比率は中央匯金投資有限公司と中国財政部の折半出資となりました。一応株式会社にはなりましたがまだ市場への上場はなされていないようです。

ザ・バンカーで2008年度世界の大銀行1000行ランキングでは株式制商業銀行の交通銀行54位にも抜かれ、71位にランクインしています。世界のトップ100に入っている時点でたいした物なのですが、他の国有商業銀行が軒並み10位前後なのに対しその差は歴然です。


中国銀行業界の躍進
前回の記事は2003〜2004度のデータでしたが、それと比較して見てもこの4年で各社共に順調に業績を拡大していることがわかります。不良債権の処理も進み、経営体質の改善にも努めているようです。そんな中イギリスの著名な経済誌「The Banker」では2008年度世界の銀行トップ1000で中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行が8位、10位、13位にランクインしました。総資産でみてもすでに邦銀と肩を並べる規模にまで膨らんできていますし、日本を含む先進国の銀行の失速を尻目に利益では巨額な実績も達成しています。

金融不安や企業体力の脆弱さなどが指摘され改善が至上命題とされていたのはほんの数年前のことですが、それから何年も立たないうちにいつの間にか世界トップレベルの評価をなされる銀行へと変貌していたのです。しかも邦銀と同様今回のサブプライム問題ではサブプライム関連の商品への投資は少ないと見られ、その影響も限定的だといわれています。これまで世界の金融業界はアメリカをはじめとする欧米各社が様々な金融工学を駆使して巨額の利益を稼ぎ、大きな地位を占めてきましたが、今回のサププライム問題の勃発でそうした銀行各社はどこも大打撃を受けています。そんな中せっせと不良債権の処理を進め経営体質の改善に励みつづけてきた中国の銀行業界が今度は逆に世界トップレベルの評価を受けるにまで至っているのです。

そんな国有商業銀行ですが4社の中でも中国農業銀行だけはまだ市場への株式上場を果たすことができていない状況にあります。不良債権比率も年々改善して来ているとはいえ依然高い水準です。2004年度では19%と高い不良債権比率であった中国工商銀行も政府からの大規模な資本注入や市場への上場などを経ていまではなんと世界ナンバー1の時価総額を誇るにまで至っています。したがって中国農業銀行もおそらく不良債権問題の抜本的早期解決を計るなら政府による大規模な資本注入があるのではないでしょうか。そして数年後には中国工商銀行のように大きく飛躍しているかもしれません。





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text 2009/03/17







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