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通信業界 vol7
通信業界の大再編について



総合通信メーカー3社へと再編
これまで何度もささやかれてきた通信業界の再編がついに現実味を帯びてきました。というのも2008年5月24日工業情報省、国家発展改革委員会、財政省が共同で大手通信会社6社への提案として「通信体制改革の深化の通告」を発表したからです。この提案では固定通信から移動体までを全国的に手がける総合通信会社を3社誕生させることを掲げています。

中身について解説するとこれまでの6社体制を買収や、吸収合併、事業分割などにより3社に再編するもので、まず携帯1位の中国移動(チャイナモバイル)が固定3位の中国鉄道通信(チャイナレールコム)を買収して1つのグループに、固定1位の中国電信(チャイナテレコム)が中国衛星通信(チャイナサットコム)の一部通信部門を買収し、さらに携帯2位の中国聯合通信(チャイナユニコム)のCDMA部門を買収して1つのグループに、GSM部門を残した中国聯合通信が固定2位の中国網路通信(チャイナネットコム)を吸収合併して1つのグループを形成し、合計3つのグループへと再編される案です。わかりやすいよう以下に再編図を掲載します。



現時点で実行されているのはこの提案が発表される前日(5月23日)に行われた中国移動による中国鉄道通信の買収と、6月2日に中国電信による中国聯合通信のCDMA部門の買収1100億元(1兆6500億円)です。中国電信の中国聯合通信CDMA部門の買収では中国聯合通信側の発表としてGSMとCDMAという二つの企画を運営して行くのは経営資源の効率的な運営という側面から見て問題があり1つの企画に資源を集中させるためと発表していますが、もちろんそれも大きな理由でしょうが前述でも述べた「通信体制改革の深化の通告」の流れを受けてのものというのが大方の見方でしょう。また同日中国聯合通信と中国網路通信の合併も発表されました。これにより上記の提案が実際に実現され、新生中国移動、新生中国電信、新生中国聯合通信という3つのグループが誕生する事になったのです。

健全な市場と競争環境の育成
こちらの記事の各通信キャリアの売上と利益の実績では2003年度とだいぶ前のデータですが各社それほど収益性に置いて大きな開きはありませんでした。しかしながら2007年度の決算では中国移動が他社を引き離して圧倒的な収益力を上げその存在感は日増しに高まっています。これはやはり移動体を主力とする中国移動と中国聯合通信に対して主力が固定電話であることが中国電信や中国網路通信の業績の足を引っ張っている一番の理由ともいえます。現に中国市場では固定電話の市場というのは2006年をピークに減少に転じているのです。対して移動体市場は毎年順調に拡大しています。これでは中国移動の一人勝ちがさらに進んでしまい健全な市場競争を促す上でも障害となってしまいます。そこで政府は現在の通信会社を3社に再編しそれぞれに移動体にも力を入れさせ、中国移動の一人勝ち状態を打開しようとしたのではないかと考えられます。

■各社の2007年度本決算(単位:百万元)
社名売上高純利益
中国移動356,959(+20.9%)87,062(+31.9%)
中国電信178,656(+1.7%)23,702(-13.0%)
中国聯合通信99,539(+4.4%)9,299(+144.7%)
中国網路通信84,005(-0.2%)12,095(-6.7%)

第3世代企画の導入について
再編後の大きなテーマは第3世代携帯の導入の問題です。おそらく中国電信は北米企画であるCDMA2000を、中国聯合は欧州企画であるW-CDMAを、中国移動は中国独自の企画であるTD-SCDMAを採用するものと見られています。3G企画のライセンスは3社に与えられると以前からいわれてきたので、今回の再編により各社にもれることなくライセンスが与えられる事になります。しかしながらCDMA2000とW-CDMAは第2世代からの上位企画でもあるため設備応用などの面で相性が言い点や、すでに各国で採用され成熟度も高いという点に対してTD-SCDMAはこれから中国移動がはじめる企画です。下位企画もないため他の企画のようなメリットをいかすこともできません。

しかしながらTD-SCDMA企画を成功させるためには中国移動以外に選択肢はないという見方もあります。というのも現状中国移動は収益力の面で他社を圧倒しており経営体力がまったく異なります。中国聯合通信もCDMA企画を中国電信に売却した事で豊富な資金を手にする事ができ財務体質の改善に寄る企業体力の強化を計れますが、それでも収益力では中国移動にはまだまだかないません。中国電信に至っては買収に寄る資金が負担となるため今後の3G企画展開のための膨大な設備投資に向けての資金調達といった大きな課題がのしかかってきます。おそらくは上場などにより資金調達をするのではないかと見られています。

対して中国移動は2社に比べて収益力、財務基盤の両面で強固さを堅持しています。運営実績も未知数なTD-SCDMA企画ですがこれを実際運営し、成功させることが出来るとすれば中国移動以外には考えられないのではないでしょうか。もちろん他の企画よりも普及のための困難は大きいでしょうが、これがかえって他陣営の挽回を招き3社の総合的な経営力の均衡化にも寄与して、ゆくゆくは3社間による健全な市場競争を促す環境をはぐくむ事にもつながるかもしれません。なにはともあれ中国の通信業界は今後大きな躍動をもって変化して行く事は間違いないでしょう。





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text 2008/10/24







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