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銀行業界
vol5

株式制商業銀行について


株式制商業銀行とは
中国の銀行セクターでは4大国有商業銀行と呼ばれる中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国工商銀行がその企業規模などから大きな地位を占めています。これとは別に株式制商業銀行とよばれる銀行も複数存在します。両者共に商業銀行ですが大きな違いは国有銀行であるかどうかにあります。4大国有商業銀行は文字通り国が所有する銀行であるのに対し、株式制商業銀行は地方の政府や企業がその設立や出資に大きく関与しています。

もうひとつの違いは株式会社であるかどうかです。株式制商業銀行は株式会社で株式を発行していますが、国有商業銀行は国有であり株式の発行はありません。ただし近年国有商業銀行の株式市場への上場が進められており、これにより国有商業銀行も株式会社化へと進む事になります。

まとめると国が所有するか地方政府・企業が出資・所有するかでまず分類され、さらにそれぞれが株式会社制かどうかで分類されるというわけです。

国有商業銀行 … 国が所有する
都市商業銀行 … 地方政府・企業が出資・設立
株式制商業銀行 … 株式会社組織の銀行

株式制商業銀行一覧
株式制商業銀行一覧
行名資産規模本拠地設立年度
交通銀行9,504億元(2003年度)上海市1986年※1
招商銀行6,028億元(2004年度)深セン市1986年
深セン発展銀行1,988億元(2002年度)深セン市1987年
中信実業銀行4,198億元(2003年度)北京市1987年
広東発展銀行2,992億元(2003年度)広東市1988年
興業銀行2,600億元(2003年度)福州市1988年
華夏銀行2,656億元(2004年度)北京市1992年
光大銀行3,944億元(2003年度)北京市1992年
上海浦東発展銀行4,555億元(2004年度)上海市1992年
民生銀行4,454億元(2004年度)北京市1996年
恒豊銀行175億元(2003年度)煙台市2003年
浙商銀行-杭州市2004年
渤海銀行-天津市2004年
※1.設立は1908年。1958年に一度営業停止となり1986年に復活。

株式制商業銀行の経営力
4大国有商業銀行は国が所有する銀行であるため、いざとなったら国が何とかしてくれるという意味で高い信用力があるといえます。それに対して株式制商業銀行では支持基盤が地方政府であり企業であるため、国と比べた場合信用力は劣るといわざるをえません。

しかしながらよく考えて見れば利用者が企業を選ぶ場合、規模だけでなく経営効率にも目を向けるところでしょう。例えば日本でも静岡銀行や横浜銀行など地方銀行にもかかわらず高い経営効率で毎年順調に成長している銀行も少なくありません。同様にして中国においても株式制商業銀行だからといって互角に闘えないというわけではないのです。

株式制商業銀行の武器は4大国有商業銀行と同じように全国展開をしてますが、経済発展の著しい沿岸部が中心なため、営業拠点の数では大きく劣るものの、効率的な経営を実現しています。また不良債権比率でも平均して4大国有商業銀行よりいい数字をたたいています。これにはひとつ理由があって4大国有商業銀行ではこれまで政府の意向もあり、非効率な国有企業を延命させるために多額の貸出などを行ってきて、その結果多額の不良債権を抱えてしまったといった背景がありました。もちろん今ではそうした不良債権の処理もかなり進んではいますが。

こうした理由からここ数年の貸出残高の比率の推移で株式制商業銀行が4大国有商業銀行よりも高い伸びを見せています。

株式制商業銀行の強み
株式制商業銀行の強みについていくつか上げることにします。

・いち早く市場への上場を果たす
株式制場行銀行である民生銀行や交通銀行、深セン発展銀行などは国有企業へ先んじて市場への上場を果たしました。上場すると投資家への情報開示が求められ、また国際的な会計事務所からの会計監査を受ける必要も出てきます。このため経営の透明化が計られるといえます。

・外国企業との提携
交通銀行はHSBCと上海発展銀行はシティーバンクと資本提携を結んでいます。経営の自主性は損なわれますが、進んだ経営ノウハウ、商品開発力をえることも出来るといったメリットがあります。

・商品開発力に強み
すでに述べた通り株式制商業銀行は経済発展の進んだ沿岸部が中心なため、企業向けの融資の他、富裕層をターゲットとした商品の開発にも力を入れており、この分野で国有商業銀行に先んじているようです。

強みばかりではない
株式制商業銀行が近年貸出残高を伸ばしている要因のひとつとして不動産投資や不良債権処理に追われる4大国有商業銀行が足踏みするような事案にまで手を出しているというのがあるようです。したがって景気の動向次第では不良債権比率の悪化といった問題もでてくるのではないかと懸念されています。





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text 2006/12/22







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