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鉄鋼業界
vol3

需給ギャップの問題


鉄鋼生産量の急増
中国の鉄鋼生産量はここ数年で爆発的に増加しており、03年には2.2億トンだったのが、04年に2.7億トン、05年には3.5億トンに達し、06年には4億トンにまで拡大すると見られています。わずか3、4年で2億トンもの増加を記録しているのです。日本最大手で世界第2位の新日鉄でさえ総鉄鋼生産量は3000万トンなので、2億トンという数字がいかに大きな額かがわかります。


需給ギャップの問題
中国の鉄鋼業界では生産量の伸びと共に鋼材の製品ごとの需給ギャップの問題も深刻化しています。中国では巨大な市場と経済の発展を背景に様々な業種でたくさんの企業の参入がみられます。鉄鋼業界も例外でなく鉄鋼が売れるとなると、「ミニ高炉」とよばれる1000立方メートル未満の小型高炉がパッケージとして販売されており比較的簡単に参入しやすいとう環境も手伝って、様々な業種や地方の有力者などがこぞって参入しました。中国国内の鉄鋼会社の数は2004年末時点で1000社を超えます。

こうしたミニ高炉では一般鋼材が生産され、付加価値の高い高級鋼材は大型の高炉や高い技術を必要とします。ミニ高炉を中心とした新規参入の鉄鋼メーカーの氾濫により一般鋼材に生産が集中し、高級鋼材では需要がひっ迫、一般鋼材では過剰な生産に至るという需給のギャップが近年深刻化しています。

またこれまで鉄鋼業界では思うように再編が進まなかったこともあり、生産効率の悪い設備を保有した小規模企業が数多く現存しているという問題もあります。こうした企業も一般鋼材が主力であるため、需給ギャップに拍車をかける一因となっています。

新規参入組 小規模企業の存続
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一般鋼材への生産の集中、非効率な生産体制

市場価格への影響
過剰な生産による一般鋼材の値崩れの問題は、国内市場だけにとどまらず海外にまで影響がではじめています。あまった一般鋼材は海外に輸出され、海外市場の値崩れにつながっているからです。韓国メーカーのPOSCOでは2006年1月、安い中国からの輸入鋼材に対抗して汎用剤の国内販売価格を最大17%値下げしました。この動きが広がれば需給のギャップをコントロールできない中国政府への海外からの批判も強まるでしょう。このため中国政府は2005年にまずはミニ高炉の新規建設の禁止を実施しました。

業界再編への取り組み
中国の国家発展改革委員会は2005年7月20日、「鉄鋼産業発展政策」において、業界再編の目標として2010年には現在トップ10社による粗鋼生産シェア34.6%を50%に、20年には70%に上げることを打ち出しています。日本では上位5社で75%、欧州では上位6社で74%を占めるため国際水準に近づけようということなのでしょう。上位への寡占化を進め設備の統廃合を加速させることで需給ギャップを改善させると共に、資本力、技術力を高め海外メーカーと互角に闘えるようになるよう産業を育成していくことが今後の至上命題となります。

では具体的に実施された施策の一例をあげてみましょう。

1.
粗鋼生産量が500万トンを超える企業では、発展計画を策定し国家発展改革委員会の批准を受け、計画を実施することが出来る。500万トンに満たない企業は計画の批准を受け、実施の際も再度批准を受けないといけないとし、手続きを煩雑化させることによる再編を促す施策の1つとみられる。

2.
他地域への投資は粗鋼生産量500万トンを超える企業に限られる。 これも再編を促す施策の1つであろう。

3.
原則として単独での鉄鋼一貫企業の建設は認めず、現地の企業との合併や合弁で行う。 新規投資の抑制と同時に、旧式の設備の統廃合を目指したものと考えられる。

4.
生産設備の新規拡張は旧式の生産設備の淘汰と結び付けなければならない。 旧式設備の統廃合を目指したものであろう。



※参考資料
中国株二季報2006年春号  中国産業ハンドブック (2005-2006年版)   週刊東洋経済2006年1月28日号


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text 2006/07/05







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