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家電業界
vol1

中国の家電業界について


激しい競争
成長著しい中国において、最も競争の激しい業種が家電業界です。つねに価格競争、市場淘汰が繰り返されてきました。80年代から90年代後半の間に多くの企業が吸収、統合、淘汰されて、市場を占有してきた100社以上を数える企業の数も10数社にまで集約されてきました。生き残った企業に共通するのは、大規模生産によるコストの削減、それによる価格競争力の強化、価格競争にたえうる、潤沢な資本の2点です。今なお競争の続く業種で家電の各部門の順位も、毎年大きく様変わりしています。

中国家電メーカーの売上高ランキング(2001年)
順位会社名売上高売上高
営業利益率
万元前年比
1海爾集団6,025,55648.3%3.3%
2上海広電集団3,000,96130.4%5.2%
3熊猫電子集団2,120,50025.9%4.6%
4TCL集団2,111,19618.9%3.4%
5海信集団1,615,73319.9%1.9%
6四川長江電器2,120,500-18.3%1.0%
7蘇州孔雀電器集団577,945-15.5%3.7%
8アモイ華僑電子577,7625.0%0.5%
9シンセン華強集団577,243-16.9%2.3%
10シンセン賽格集団506,934-6.3%1.7%
※中国情報産業部発表

上記表からもわかるように、成長著しい中国にもかかわらず、家電業界においては前年度比でマイナスの企業も少なくありません。競争の激しさを物語っています。また売上高営業利益率の低さも価格競争の結果でしょう。

中国家電メーカーの強み
中国は日本や韓国はもちろんのこと、マレーシア、タイをはじめとした東南アジア諸国よりも人件費が安いです。2001年度で日本の人件費は中国の40倍、韓国、マレーシア、タイがそれぞれ12倍、5倍、3倍となってます。このことが製品の価格面で大きな武器となってます。

それだけではなく、中国は顧客のニーズにいち早く対応した製品を開発、市場に投入すべく、欧米の最新機器を導入して開発期間の短縮に努めています。日本の金型の設計期間が3ヶ月、そこから市場に投入されるまでに3ヶ月と合計半年もかかるのに対して、中国は3次元設計を利用して設計に1ヶ月、市場への投入までに1ヶ月と日本の3分の1の期間しかかかりません。これは世界で活躍する日本の自動車メーカーの強みである、開発期間の短さと同じで、大きな武器となっています。

このようにもはや価格競争力だけでなく、市場ニーズに応じた製品の開発面でも中国の家電メーカーは日本に迫ってきているのです。

中国家電の今後
中国家電メーカーの成長は旺盛な国内市場の発展に支えられていることが要因のようにお考えの方もいるかと思いますが、それだけではなくて、いまやかつての日本の電機メーカーの躍進と同じように、世界市場でもその存在感を示し始めているのです。

中国の電子業界の輸出比率(2001年)
順位会社名業種売上高輸出比率
万元前年比比率前年比
1中国普天信息産業通信機6,424,78238.2%22.6%3.6%
2海爾集団通信機6,025,55648.3%5.8%-1.8%
3聯想集団PC3,287,65815.6%3.5%19.5%
4上海公電家電3,000,96130.4%31.8%-42.2%
5熊猫電子集団家電2,120,50025.9%17.8%10.2%
6TCL集団家電2,111,19618.9%27.7%-20.2%
7華為技術通信1,622,8956.8%6.2%-14.0%
8海信集団家電1.615.73319.9%3.2%-10.4%
9上海ベル通信機1,510,10739.6%8.5%-15.8%
10北京北大方正ソフト1,166,29715.9%1.6%-47.0%
※中国情報産業部発表

中国の家電メーカーの売上に占める輸出の割合も決して少なくありません。最大手海爾集団のアメリカにおける実績ですが、1990年にアメリカ市場開拓をスタートさせた同社ですが、1996年には電気冷蔵庫、ルームエアコンそれぞれ1%にも満たないものでした。しかしながら2001年度ではそれぞれ8%、9%と堂々市場シェア第3位、4位に位置するまでに躍進しており、その勢いはまだまだ続く様子です。ハイアールはこの他にも海外20箇所以上で生産や開発などの拠点を構えています。日本にも最近大手各社と提携して参入してきました。価格競争力と、適確で素早い市場ニーズの対応から、今後も海外市場での躍進が期待されます。

中国家電の課題
中国の家電業界は、これまで政府の政策などによって海外のメーカーからいろいろな面で保護されてきました。販売面で重要な販売網やサービス拠点の整備ですが、外国資本にはこれまでそれらが制限されてきました。中国大手家電メーカー海爾集団の強みのひとつ、アフターサービスの充実も国内50000点の販売網、12000点のサービス拠点に支えられてきました。

しかしながら中国のWTO加盟とともにこれらこれら外国メーカーの足かせも解禁され、外国資本も中国国内で自社販売網を積極的に整備することが可能になったのです。まだまだ技術面では日本をはじめとした海外メーカーに劣る中国メーカーにとっては厳しい条件となります。しかしながら、広大な中国国内、しかも内地は入り組んでいて、中国メーカーほどの販売網を構築するのは簡単な話ではありません。手っ取り早いのが中国メーカーの販売網を利用することです。こうしたことから、中国メーカーと日本をはじめとした海外の資本との提携話が盛んに行われています。中国メーカーにとっては技術導入などのメリットがあるので双方に利益のある話です。

しかしいづれは海外メーカーもサポート面、販売面で充実させてくることでしょう。そうなると中国メーカーとしては早急に技術力を高める必要があります。そうした危機感からか、大手家電メーカーでは技術開発費を大きく増やす傾向にあります。さまざまな面で海外メーカーと肩を並べる日もそう遠くはないのではないでしょうか。

中国電子業界トップ10社のR&D投資状況(2001年)
会社名業種売上高
R&D投資率
R&D投資額売上高
万元前年比万元前年比
華為技術通信18.8%304,96347.3%1,622,8956.8%
海爾集団家電6.6%398,000153.8%6,025,55648.3%
上海ベル通信5.3%79,32930.9%1,510,10739.6%
北京北大方正ソフト4.3%50,55911.4%1,166,29715.9%
上海公電家電4.3%130,00017.8%3,000,96130.4%
聯想集団PC2.9%96,14612.3%3,287,65815.6%
TCL集団家電2.8%58,00030.2%2,111,19618.9%
海信集団家電1.0%16,353-74.3%1,615,73319.9%
中国普天信息通信1.0%61,326-55.4%6,424,78238.2%
熊猫電子集団家電0.9%18,653111.7%2,120,50025,9%
※中国情報産業部発表


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text 2003/10/12







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